この記事について
日経新聞の記事で「就活うつ」という言葉を知りました。弊社代表の後藤も、就活ではありませんが、会社員として勤務していた頃に、メンタル不調に陥ったことがあり、その辛さが身にしみた経験があります。この記事は、「うつ状態かもしれない」との不安を持った方へ、現状から一歩抜け出すヒントを提供できればと思いまして、執筆しています。ご参考になると幸いです。
(食欲不振、睡眠が取りづらい、外出することが辛いなど、日常生活に明らかに不便をお感じになっている方は、信頼の置ける医療機関やサポート機関をお探しになることもお勧めします)
参考:「就活うつ防ぐには 初期から中小企業に目を(日経新聞)」「就職活動時のメンタル不調に関する調査(ABABA総研)」
もくじ
1 このようなことに、お悩みではないでしょうか
2 「就活」とは、「プロジェクト」である
3 「就活」を「ルーチンワーク」として上手にこなせる人は、ごく一部
4 「プロジェクト」としての就活を成就させるために
5 「プロジェクト」としての就活の、考える順番
6 思い通りにならない状況は「俯瞰視」で抜け出そう
7 「当たり前ができない」でなく「できないことを、やってみる」へ
8 最後に:プ譜のテンプレートはこちらから!
このようなことに、お悩みではないでしょうか
ひとくちに「うつ」といっても、状態の重さ軽さや状況が千差万別なので、簡単には言えませんが、
こと「就活」のなかで、精神的につらいと感じる場合、
「どの会社に応募したらいいか、迷う」
「応募や選考にあたっての作業が多い」
「選考で落とされて、ショックを受ける」
「周囲の友人と自分の状況を比べてしまう」
「この先の人生に対して、希望が持てない」
ということが、多いのではないか、と思います。
もしこれが当てはまるなら、プロジェクト進行支援家として、後藤が申し上げたいのは、ただ、一点です。
その精神的なつらさは、就活を「ルーチンワーク」だと思っているから、かもしれないということです。
(ここでルーチンワークという言葉の意味は、「手順通りにやれば、誰でもできる作業」というふうに、お考えください)
「就活」とは、「プロジェクト」である
結論から申しますと、就活とは、プロジェクトと呼ぶべき活動です。
では、プロジェクトとは、なにか。私流に言えば「”あったらいいな”から始まり、未知に対してまずは一歩を踏み出してみることで、新たな自分と世界を知る一連の行動」です。
下の図を、じっと、よく見てみてください。
就活を、「ルーチンワーク」だと思ってみたら、そう見えるかもしれません。
そう見えた方は、今度は、就活を「プロジェクト」だと思って、よくよく見てみてください。
そうすると、あら不思議、「プロジェクト」に、見えてくるはずです。
「就活」を「ルーチンワーク」として上手にこなせる人は、ごく一部
世の中には、「就活攻略法」なるノウハウや指南が、やまほど情報化され、本やネットメディアに、あふれています。
それらのノウハウから、自分に合ったものを選び、言う通りに実践したら、就活に成功できる、と、お考えではないでしょうか。
もちろん、偶然、自分にあったノウハウと出会い、偶然、自分にあった企業と出会い、なぜだかよくわらないけど、するっと就活がうまくいく方も、おられるかと思います。が、それは、全員ではありません。むしろ、ごく一部です。
そして、誰かに教えられたノウハウ通りにマジメにやっているのに、なぜかうまくいかない、という方にこそ、就活を「うまくいかなくて当たり前の、試行錯誤的な取り組みだ」と、捉え直してみていただきたいのです。
「プロジェクト」としての就活を成就させるために
上の図で示すような就活の流れは、理想形として描く分には、確かにその通りです。しかし、自分をその型にはめさえすれば、なんとかなる、というわけではありません。
一般的に語られている必勝パターンのなかには、自分にとって必要なものもありますが、不要なものもあります。しかし、就職ということをやったことのないなかで、自分でそれを考えるのは、極めて難しいのです。
例えば一般的な就活アドバイスとして「中小企業にも目を向けよう」「エントリー企業を増やそう」といったものがあります。単純計算すれば、確率的には、そうかもしれません。しかし、本当に誰にでも当てはまるかは、定かではありません。絞ったほうが、うまくいくかもしれません。
そういう意味で、就活を、「誰にでも当てはまるテンプレ的なもの(ルーチンワーク)」ではなく「他ならぬ、誰でもない、自分自身の物語(プロジェクト)」として、捉え直してみていただきたいのです。
では、就活を、プロジェクトとして捉え直すためには、具体的には、どう考えるとよいでしょうか。
簡単にいえば、以下の図に示すような形で、「自分が何を求め、どこに向かっているのかを、一旦、間違っていてもいいから、まずは言葉にしてみる、整理してみる」ということです。
※このフレームワークは、「プ譜」(プロジェクト譜)といいます
プ譜を書いてみたい、という方は、以下のリンクからテンプレートをダウンロードいただけます。
https://www.gotolab.co.jp/wp-content/uploads/2024/10/pufu-template.pptx
「プロジェクト」としての就活の、考える順番
プ譜は、どこから埋めてもいいのですが、こと就活に絞って考えると、以下の順番が、良いかと思います。
① | 「獲得目標」 | 就活なので、基本的には、「内定」ということかと思います。 が、単に内定というだけではなく、もう少し具体化してみましょう。 例) ・第一志望の会社からの内定 ・内定をもらえたらどこでもいい ・やりたい仕事ができるならどこでもいい ・まずは、就職してみて、そこから自分のやりたいことを探す ・とにかく生活をしていくために、月収◯◯円以上の仕事を探している |
② | 「廟算八要素」 | 獲得目標を定めてみたら、次は「廟算八要素」です。 目標に対して自分の持っている資源や潜在的なリスク、誰とどのような競争状況にあるのか、 つまり、どのような状況にいま向き合っているか、を、整理します。 例) ・すでに希望する業界で仕事をした経験があり、スキルがある ・相談に乗ってくれる、信頼できるキャリアドバイザーがいる ・学業との両立のため、時間が足りない |
③ | 「勝利条件」 と 「中間目的」 と 「施策」 | 以上の流れで「目標」と「状況」が見えたら、「有利な要素」「不利な要素」が見えるはず。 自分に有利な要素を強め、不利な要素を克服すれば、目標達成の可能性は高まります。 大事なのは「いかなるアクションを取って、どのような状態を導くか」という視点です。 具体的には「勝利条件」と「中間目的」と「施策」という項目で考えます。 これらのどの順番がいいかは、人や状況によります。 思いついた要素から埋めてみる、という手もあります。 (勝利条件や中間目的の例) ・自分の志望業界を、確信をもって決められる ・志望業界にアピールできる自分のスキルと経験が、相手にわかりやすい形で表現できる ・限られた時間を、最大限、有効活用できる ・精神的な健康を、まずは取り戻す (施策の例) ・あらためて設定した獲得目標をもとに、志望先をリストアップし直す ・一番信頼している先輩に、相談に乗ってもらう ・就職せずに行きていく方法を考える ・気晴らしに旅行してみる ・あらゆる不利な状況を想定した面接対策百本ノック |
思い通りにならない状況は「俯瞰視」で抜け出そう
筆者の経験として「抑うつ気分」は「本当に自分のやりたいこと」が「世間や他者から求められること」によって否定されているときに、起きやすい、と、思っています。
ここで大切にしていただきたいのは「抑うつ状態だから、駄目だ」ということではない、ということです。むしろ「本当に自分のやりたいこと」が、自分の心のなかの中にあって、それがさえぎられているからこそ、抑うつ状態に至っている、と、考えてみることを、強くお勧めしたいと思います。
プ譜を書いてみると「本当に自分がやりたかったこと」が、少しだけ、はっきりします。本当はやりたかったことはなにかを、改めて俯瞰視することで、次に踏み出す一歩が、おぼろげでも、必ず見えてきます。
「当たり前ができない」でなく「できないことを、やってみる」へ
繰り返しになりますが、プロジェクトとは、「”あったらいいな”から始まり、未知に対してまずは一歩を踏み出してみることで、新たな自分と世界を知る一連の行動」です。
いま希望している就職先が、自分の人生にとって、本当にベストなのか、それは、わかりません。
掲げている目標に対して、立案した施策が、本当にベストなのかも、やってみないと、わかりません。
ベストだったとしても、予想もしない外部環境の変化により、意味がなくなってしまうかもしれません。
そういう不確実性や失敗に対して「不安だ」とお感じになるかもしれません。
自分の行為が、計画どおりの結果に結びつかなかったら、「無意味だ」と思うかもしれません。
しかし、実は、そうした考えこそが「ルーチンワーク思考」のデメリットなのです。
「ルーチンワーク思考」の本質は「できて当たり前」ということです。
これは、「できるとき」には、効率性をもたらしてくれますが、「うまくいかないとき」は、ストレスでしかありません。
「就活うつ、やばいな・・・」と思ったら「うまくいかなくて、当たり前」と、思い直してみてください。
そして、「書いてみよう、やってみよう!」のプロジェクト思考に切り替えて、トライしてみてください。
最後に:プ譜のテンプレートはこちらから!
この記事を読んで、プ譜を書いてみたくなった、という方は、以下のリンクからテンプレートをダウンロードいただけます。
https://www.gotolab.co.jp/wp-content/uploads/2024/10/pufu-template.pptx
詳しいプ譜の書き方は、以下のページもご参考ください。
この記事の著者
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